教員も一人の人間、過度な期待や負担をかけている現状はおかしい。
先日の夕方長女が
「学校に宿題を忘れてきた。」
と自宅で騒ぎ出しました。
どこを探しても無く、本人も
「確かに忘れてきた。一旦机の中に入れた記憶がある。」
と言いました。
ただの宿題ではなく、調べ物が絡んでいるみたいで、やっておかないと次の日からの授業に差し障りがあるとの事で、本人かどうしても取りに行きたい、と主張しました。
時計を見ると19時過ぎ、外は真っ暗。
長女には
「とりあえず今から学校に行こう。ただ時間が遅いんでもう誰もいないかもしれないよ。」
と伝えて車に乗せて一緒に学校まで行きました。
学校に着くと職員室に明かりが…。
「まだ誰かいるかも」
と長女と話しながら学校に入っていき、職員室の前まで行くと複数の方の話し声がきこえてきます。
そっとノックして
「失礼します。」
と恐る恐るドアを開けるとそこにはまだ多くの先生方が仕事をしていました。
数人の方が閑散と、という感じでは全く無く、皆さんまだ普通の時間にバリバリやっている感じで、その熱い雰囲気に思わず20歳代の頃に勤めていた商社の雰囲気を思い出しました。
先生に事情を話すと
「ちょっとお待ちいただけますか。」
とその場に我々親子を残し教室に行っていただき
「ありましたよ。」
と笑顔で忘れた宿題を持って来ていただきました。
親子でお礼を伝え、その時に
「皆さんエライ遅くまで残ってますが何か行事でも近いんですか?」
と訊ねると
「いや、そんな事ないですよ。いつもこんな感じです。」
とおっしゃいました。
改めてお礼を伝え、その場を去りましたが、帰りの車の中で
「そういえば先生って今労働時間的にブラックと言われる職種なんやなあ。」
と思い返していました。
僕の友人や知人にも学校教員をやっている方が何人か見えますが、みんな忙しくしているのを思い出しました。
①どれだけ残業をしても残業手当が出ない
教員の方って業務がめちゃくちゃ沢山ある、と聞いたのを思い出しました。
僕は単純に
「公務員やしちゃんと残業手当は出るんだろうなあ。」
と思ってました。
それでちょっと調べたらそういったものは無いらしいです。
なんでも「給特法」というものがあるらしく、それによると残業代を出さない代わりに給料月額の4%を「教職調整額」として出すことが決められています。
正式名称を
「公立学校教育職員の給与等に関する特別措置法」
というらしいです。
なんでも教員は働き方が特殊で(夏休み等の存在?)残業時間の管理が難しい事から1971年に成立したのことです。
②働き方が特殊な職種は教員だけじゃない。
ただこの給特法という法律、成立が1971年という事ですが、もう半世紀前の事です。
この間社会は大きく様変わりしています。
サービス業に従事する方の割合が大きく増え、いわゆる
「9時〜17時就業時間、土日休み」
という形でない就労形態の方も相当数います。
それなのに教員の方だけが何故半世紀も前の実態に即していない方に基づいて働かないといけないのでしょうか。
給特法によると基本手当の上乗せ分は4%。
給与額は分かりませんが明らかにサービス残業させられるでしょう。
教員の平均残業時間は異常というデータもよく目にします。
過労死する方の報道もたまに目にします。
これだけのデータがありながら何故この現状を放置しておくのでしょうか。
あまりにも酷すぎる扱いではないでしょうか。
③過度な期待をかけすぎるな
もう一つ僕が気にくわないのがこれです。
何か先生が犯罪とかをすると「先生のくせに」とか「先生の質も落ちた。」なんていう輩がいます。
犯罪行為を容認するつもりはさらさらありませんが、
「先生に必要以上のストレスを掛け過ぎている今の体制が犯罪の遠因になっている可能性もある。」
という現状はどうなの?
という事です。
あと以前ニュースでありました。
この女性教師を非難する輩にあほか、と問いたいです。
「じゃあお前らは自分の仕事を休んで入学式に出席してるやろ。それはどう説明するんや?」
教員というのは仕事です。
数多くある職業の一つです。
仕事をしている親御さんが子供の行事で有給休暇を取得して仕事を休み、我が子の行事に出席する、そんなことは当たり前の事です。
なぜ教員のみがそれをやると批判されるのでしょうか。
④まとめ
教師も人、教員は職業です。
国も人も意識を改めましょう。
そうして教員の勤務体制を見直し、過度のストレスを無くする事が教育の内容をよくする要因のひとつではないでしょうか。