自財人を目指す男のブログ

人生を豊かにする「財」を「自在に稼ぐ」という意味の「自財人」を目指す男のブログです。某会社の執行役員として、トレーダーとして、トレード講師として、不動産投資家としての毎日を綴っていきます。

便利さは追い求めすぎるとどこかでしわ寄せがくるのでは?

ある人にとっての「便利さ」はある人の「負担」であるかも。

 

最近セブンイレブンの24時間営業の件が社会問題になっています。

人手を確保できない加盟店オーナーが24時間営業を一時的にストップした事で本部から契約解除とか違約金が1700万円とかの報道が出て一気に社会問題化した気がします。

 

セブン&アイホールディングスの子会社であるセブンイレブンジャパンの社長も交代しましたが、これもこの問題の初期対応を誤ったせいとも言われています。

 

この問題、僕も興味深くみておりますが様々な論点があります。

その様々な論点が入り混じっている様な気がします。

自分なりに整理したいと思います。

 

①24時間営業の是非

まず今回問題となっているのは24時間営業に関する事です。

 

僕は24時間営業を継続していくというのは無理があると思います。

 

  1. 人手不足
  2. ドミナント戦略

まず1の人手不足についてです。

コンビニエンスストアというのは個人事業主、もしくは中小企業(中小の中でもどちらかといえば小)です。

今中小企業の人手不足問題は相当深刻です。

1店舗を維持していくのにどの位の人数が必要でしょうか。

深夜に2人、朝から夕方まで3人、夕方から夜まで3人必要とすると一日営業していくのに8人は必要です。

しかも休みなしで、という事です。

ここから休みを回したり、学生アルバイトがテスト週間の時に長期休暇を取る事を考えると一店舗を維持する為に抱えなければいけない人数はどれだけ必要なのでしょうか。

大都市圏のコンビニエンスストアに入ると日本人の店員は殆どいない店も珍しくありません。

 

さらに2のドミナント戦略がこの状況に輪を掛けます。

同じ地区内に沢山出店する事で「どこにもセブンイレブンがある。」というイメージを付けたいのだと思いますが、これは「同じブランドの別店舗がその地区の労働力も奪い合う。」という事にも直結します。

 

こんな状態で年中無休の24時間営業なんて果たして維持できるのでしょうか。

 

②ロイヤリティの問題

今回の問題で「コンビニエンスストアはロイヤリティが高い。」云々の話が出ていますが、これは上記①の問題と別に考えるべきだと思います。

実際にオーナーが本部に支払うロイヤリティの料率がどのくらいなのか、どういう計算方法なのかは分かりませんが、ロイヤリティの問題と24時間の問題は切り分けて考えるべきだと思います。

 

③食品廃棄の問題

僕が24時間営業の問題と同様に根が深いと考えてるのは食品廃棄の問題です。

「廃棄してもいいからどんどん仕入れろ。」

という方針らしいですが、ここはどうなんだろうと思います。

また賞味期限ぎりぎりのものの見切り販売もコンビニ本部にはいい顔をされない、という話もよく聞きます。

なんでも「コンビニ会計」と言われるロイヤリティの計算方法に影響してくるかららしいですが。

 

これに関しては実は昨日の記事で子供の入学式の話を書きましたが、昨日学校に行った際に学校の廊下で食品廃棄の問題が研究として取り上げられていたからです。

ここで子供達が「食品廃棄を少しでも無くするためには。」というテーマで様々なアイデアの発表をしていたからです。

 

子供達が学校でいかに食品廃棄を無くすためにはという事を真剣に考えている一方で肝心の大人が食品廃棄を推進する様な経済システムを作ってしまっている。

この矛盾についてはしっかりと教育の場で教えるべきだと考えますし、逆にコンビニエンスストアの本部の幹部にも見せるべきですね。

「子供たちのこういう取り組みをどう思いますか。」

と。

 

④危機管理の問題

 

今回新社長が就任したそうでその記者会見では食品の見切り販売についての質問が出た時に広報担当者が時間が来たという事で質問を途中で打ち切ってしまった、という報道が出ています。

 

本当だとすると上場企業の記者会見としてどうなのか、と感じます。

これだけ様々な問題が噴出している中、逆に全ての質問に誠実に答える事が組織のトップに与えられた使命だと思います。

それを途中で打ち切るとはどうなんだ、という感じです。

 

⑤便利さを追い求めすぎるとどこかでしわ寄せが

 

コンビニエンスストアというのは便利なものです。

和訳すると「便利な店」という意味なので。

 

ところがこの便利さ、追い求めすぎるとどこかでしわ寄せがきます。

そのしわ寄せこそが今回の問題ではないでしょうか。

 

「便利」という事について、もっとその裏側を掘り下げるべきではないか、というのを考えさせられる一件でした。