最近移動中にラジオを聴いていたのですが、インタビュアーが誰か覚えていないのですが、篠塚健次郎さんがインタビューされてました。
僕はモータースポーツは全く興味が無く、唯一昔親戚の方から全巻いただいた「赤いペガサス」という漫画を読んでいた位でした。
一時期F1が日本で大ブームになりましたが、その時には少しTVで観ましたが。
アイルトン・セナとかアラン・プロスト、ナイジェル・マンセルの名前を覚えています。
ラリーはそれに輪をかけて全く興味が無い世界でしたが、さすがに篠塚健次郎さんの名前は知ってました。
パリ・ダカール・ラリーで日本人初の優勝を果たした方ですね。
その方が今年久々にまた走られたとの事。
アフリカのサハラ砂漠でエコレースを走られた後のインタビューだったみたいです。
この方確かもう70歳ですが未だに走られている事に驚きました。
色んな話をされてましたが、その中で一番びっくりしたのがラクダの話でした。
篠塚さんがサハラ砂漠を走ったのは久しぶりだったみたいで、インタビュアーの方の
「久々にサハラ砂漠を走っていかがでした? 昔と変わってましたか?」
というご質問に対し、変わっていないところと変わっていたところを話されていました。
砂漠の外=街はやはり開発が進み、以前無かったビルも建ち並ぶ様になっていたらしいんですが、砂漠の中は全く変わっておらず、相変わらずラクダが50頭位列を作って荷物を背負って歩いていた、という事です。
インタビュアーの方が
「今時ラクダの隊商なんているんですか?」
と質問された所、
「ラクダは今でも貴重ですし、現代社会でも輸送手段として機能していますよ。」
と答えられていました。
なんでもラクダの背中に積まれているのは塩らしいです。
塩は無くてはならない生活必需品。
そういうものは砂漠ではラクダが一番確実との事です。
インタビュアーの方がそれに凄く驚いていて、トラックの方が確実でしょう、と言った事に対して(いや、そりゃそうだろう、と僕もそう思いましたが)、篠塚さんは
「トラックはどうしても砂地にはまり込んだりして車輪が動かなくなったりして故障してしまうケースがある。
そうなると塩を現地(砂漠の中なのか、砂漠を突っ切らないといけない場所なのかはちょっと分かりませんでしたが)に届けられなくなる。
そうすると塩が届かない現地の方は死ぬしかなくなる。
砂漠を行き来するのはラクダが一番確実。
何故ならラクダは生物学的本能でどこが足元が硬いか、どこは足元が柔らかくて砂に埋まりやすいかがわかっている。
だからトラックの様に砂で足元が埋まってしまい抜け出せなくなることが無くなる。
塩みたいな無くなってしまうと人が生きていけないものを運ぼうと思うと今でもラクダ以上の手段は無いですよ、」
とおっしゃってました。
まじか、と思いました。
極限の状態では人知を極めた機械よりも動物の本能が勝るものなのか、という事みたいです。
このブログを見ている方で何か技術を身につけている方、技術職の方、ご自身の仕事のベースに技術がある方、
「サハラ砂漠のラクダを目指しましょう。」
何か一つの事をずっと行っていると、たまに本能的に動ける事があります。
この辺りを言葉で理解するのは非常に難しいです。
過去記事でも取り上げましたが。
何か「臭う」という感覚。
ちょっと怪しいなあ、という感じ。
動物が持っている本能とまではいいませんが、それに近い感じ。
ある一定のところまでやりこんだ人たちがたまに得られる
「あれ?」
という感覚。
これは是非身につけたいですね。
この感覚をに身につけるためにはどうしたらいいんでしょうか。
僕が思うに
「何か一つの事をやりこむ。」
しか方法がないんでしょうね。
サハラ砂漠のラクダは本能で柔らかい砂地を避ける事が出来るみたいですが、人の感覚はごく一部の限られた方以外は先天的には身についていません。
(これが先天的に身についている人が「天才」と言われる人なんでしょうね。)
目先の仕事を一生懸命やる、技術をとことん身につけるべく努力する、こういうことをずっと継続して出来る人達のみが身につけられる感覚なんだと思います。
サハラ砂漠のラクダ、是非目指しましょう。