先日アメリカのプロバスケットボール「NBA」のオールスターが開催されました。
僕はNBAを観るのが昔から「好き」です。
1996年には東京ドームでの開幕戦も観戦に行きました。
本当は「大好き」と書きたいんですが、毎回試合を録画してみるほどではなく、たまに興味深いカードがあれば録画して観る、というのとプレーオフの試合はファイナル位は観る、というライトなファンですので「大好き」と書かずに「好き」という表現に留めています。
(ちなみに昨シーズンまではWOWOWで観られましたが、今シーズンはまさかのWOWOW自体がNBAの放映権を獲得出来ず。
よって今シーズンはまだ一度も試合を観ていません。)
試合は観ていない(観られない)んですが、そのスコアを観て
「あー、やっぱり…。」
と思ってしまいました。
というのは
「オフェンスがスリーポイントとダンク等の個人技中心でディフェンスがあまり真剣になされていないだろう。」
というのがスコアから想像出来るからです。
昨年、一昨年はオールスターを観ていたんですが、レギュラーシーズンとかプレーオフとのあまりにもディフェンスの迫力の違いに途中でテレビ観戦を止め、その後の観戦を試合後のダイジェストで済ませてしまう、という流れだったんですが、おそらく今年もそんな展開だったんだろうなあ、というのが予想出来るスコアとスタッツだったからです。
この辺りの問題は選手サイドに立てば分からなくもないです。
・大事なのはレギュラーシーズンからプレーオフへと勝ち上がり、ファイナルを勝ち残り優勝を目指す事。
・オールスターは勝敗無視の「興行」であり、ここであまり真剣になりケガをしたら全く意味が無い。
まあこんな事情でしょう。
NBAは確かロースターの平均年俸が6億から7億のスーパーリッチな集団(確か世界のメジャースポーツの中でこの平均年俸は一番高かったと記憶しています。)であり、特にオールスターに出場する様な選手は単年の年俸が20〜30億の選手ばかりであり、オールスターを
「流してしまう」のは分からなくもありません。
ただ僕はこの手の興行でいつも感じるのは
「真剣さを伴わない試合に果たしてショーとしての魅力はあるのか。」
という事です。
昨年末にプロ野球の
「サムライジャパン対MLBオールスターズ」
が日本で行われました。
僕も一試合現地観戦したのですが、サムライジャパンのメンバーはともかく、MLBについては
「何がオールスターや!!」
といいたいメンバーでした。
しかも事前の招集メンバーに入っていた目玉である2018年のナショナルリーグMVP、ミルウォーキー・ブリュワーズのクリスチャン・イエリッチ選手はチケットを購入してからの出場辞退。
一番の見どころが
・広島での試合で凱旋登板するロサンゼルス・ドジャースの前田健太選手(マツダでの試合を観戦出来た広島ファンはいいけど…。)
・一塁コーチの松井秀喜さん(松井さんはメジャーリーグでもコーチ経験は無いんよね。マイナーを少し見ているだけのはず。)
という、なんとも情けない感じです。
スポーツというのは競技です。
プロスポーツというのはその競技を興行=ショーとして成立させ、大衆からお金を徴収している訳です。
我々が観たいのは単なる「興行」ではありません。
「スポーツとしての興行」です。
スポーツというのは派手な得点シーンだけではありません。
NBAであれば素早いパス回し、ゴール下での激しいポジション取り、素早いトランジションの切り替え、ボール保持時でのフリーのプレイヤーの作り方。
ハンドラーのドリブルからのキックアウトからのパスを受けたクイックリリースからのシュート。
ド派手なダンクシュートやスリーポイントだけでなく、たくさんの魅力かあります。
MLBであれば投手のまさに「魔球」といえる様な変化球。日本人プレイヤーではあまり見ることの出来ないサードやショートの深い位置からのノーステップスロー。凄まじい飛距離のでるホームラン。
これらは試合中の一局面にすぎません。
その一局面に我々は一喜一憂します。
ただそれ以上に両チームが勝利を目指している姿に観客は感情移入し、心を打たれます。
プロスポーツはショーです。
観客はショーを観戦するのにお金を払います。
であればもう少し観客に対するリスペクトがあって然るべきではないでしょうか。
NBAなら82試合、MLBなら162試合のレギュラーシーズンがあり、さらにそこからプレーオフがあります。
そここそが真剣勝負の場であり、選手のサラリーもそこから発生します。
ですからいわゆる「エキジビションマッチ」の一種にすぎないオールスターや日米野球で流したプレーをする気持ちも分からなくはないです。
ただ選手から真剣さが見受けられないとショーとしての魅力はありません。
その興行に決して安くはないお金を払って観に来たファンの気持ちも考えてほしいなあ、と思います。