自財人を目指す男のブログ

人生を豊かにする「財」を「自在に稼ぐ」という意味の「自財人」を目指す男のブログです。某会社の執行役員として、トレーダーとして、トレード講師として、不動産投資家としての毎日を綴っていきます。

融資か? リースか?

僕が勤めている会社は装置産業に属する会社です。

 

装置産業というのは

「一定以上の生産やサービスの提供のために巨大な装置(システム)を要すると考えられる産業。」

の事です。

 

つまりゴーイングコンサーンという観点からみると継続的にある程度の設備投資を必要とする産業に属している訳です。

設備というのは当然に老朽化していきますので「買い替え」というのが必要になってきます。

 

ところが今うちの会社が事業継続に必要な設備投資をしようとするとメーカーの生産体制の関係で納期が一年近くかかります。

つまり今正式に注文して納品が一年後になってしまう、という事です。

 

うちの会社は

・5年ほど前に設備を入れ替えた。

・債務超過の状況で新規に設備投資をして会計上の減価償却費を増やしてこれ以上の赤字を増やしたくない。

という理由で新規の大規模な設備投資をストップしていました。

 

ちなみに債務超過とは会社が持つ資産と負債を比較して負債、つまり借金が多いことです。

この場合、資本金と赤字の累積金額を比較して赤字の累積金額が上回ってしまっている状態です。

ですから事業開始当初の資本金も食いつぶしてしまっている状態ですね。

決算書を見ると資産から負債を差し引いた純資産の部がマイナスしてしまっています。

 

今は債務超過は解消され財政は健全化されており、かつ次の設備投資を考えないといけない時期に来ています。

 

今年になって社長以下幹部社員に対し、向こう3年程度の設備投資の計画を考えてほしい、というアクションをしました。

 

どの様な設備が欲しいかを考えるのが社長や現場従業員の仕事。

考えて出てきた結論に対し資金調達をどうするのかを考えるのが僕の仕事。

となる訳です。

 

中長期的な資金調達計画を立案する為に現場の要望を確認し、金融機関との折衝や資金繰りを考える為のリクエストでした。

 

しかしここで急遽ある問題が生じてきました。

 

同業他社が事業を閉鎖することになり、中古築浅の設備の引き取り先を探しているとの話があるルートからもたらされ、それを検討することになったのです。

 

しかもその会社は関東地方の会社でうちの会社が欲しい設備もいくつか所有しており、

幹部従業員が「今後の展開の為にもぜひ欲しい。」と言い出したことです。

 

現物をまだ見ていない、資金調達についてもまだ動いていない、その状態でいきなりそういう話になり、現物確認の方は社長以下現場従業員に任せるとして僕は複数ある取引先の金融機関のうち2つの金融機関に打診をかけました。

 

こちらの要望としては

・〇千万程度の設備投資をしたい。

・ところが財政健全化に転換して間がないので財務基盤をより強固にする為に月々の返済額を増やしたくない。

だから既存の運転資金の組み換えもしていただき、新規の設備分の融資も合わせて月々のキャッシュアウトが増えない形でお願いしたい。

という内容を説明書を添えて打診しました。

 

これに対し2つの金融機関の回答は以下の通りです。

 

①A金融機関

 

必要な資金を出し、かつ既存の融資を組み替える形で検討する。

設備の状況、新規の設備がかなり納期がかかる状況を考えると今回の中古設備の状態次第では得策ではないか。

当行の御社に対する格付けもかなり上がっていたし、充分検討に値すると考えている。

 

②B金融機関

 

設備投資については異論はない。

但し資金調達の方法として現状の融資には手を付けずにB金融機関の子会社であるリース会社経由でリースにしたらどうか。

現状のキャッシュフローだと新規設備分をリースにしてリース料のキャッシュアウトが増えても吸収できるだけの余力が充分にある。

将来万一に備えて金融機関の借入枠を温存しておくというのはどうか。

 

という総論賛成、各論方法が全く違う、という回答が返ってきました。

 

要は

A金融機関…融資

B金融機関…リース

という方法を打診してきた、という事です。

 

今回の場合どちらも一長一短あります。

 

A金融機関の融資を受けると月々のキャッシュフローは現状と変わりません。

融資総額は増えますが現状のうちの会社の事業規模等から考えるとそんなに過大な金額とも思えません。

 

B金融機関のリースという話ですとキャッシュフローは増えますが借入の枠を温存することが出来ます。

そうすると万一の時に緊急の融資も受けやすくなります。

キャッシュフローは増えるがリースは借り入れと異なり、総額の支払額に対して支払い方はかなり柔軟に設定できます。

例えばリース期間中の支払額を少なくしておいて、リース期間満了時に残価設定を高めにしておく、という方法も取れます。

満了時になった時に残価分の金額を支払い買い取ってもいいし、そこから再リースしてもいいです。

キャッシュの支払方の自由度はかなり上がります。

 

この2つの選択、どうするのか。

 

僕も迷ってます。

 

社長以下現場従業員の現物視察の状況を横目で見ながら早急に答えをだしたいと思います。