自財人を目指す男のブログ

人生を豊かにする「財」を「自在に稼ぐ」という意味の「自財人」を目指す男のブログです。某会社の執行役員として、トレーダーとして、トレード講師として、不動産投資家としての毎日を綴っていきます。

生え抜きと移籍組

先日うちの長男が所属している野球チームの練習中の休憩時間にコーチ達とプロ野球談義に花を咲かせていました。

 

コーチと聞くと凄そうですが、何か指導ライセンスを取っているとか、そういう大げさなものでは無く、みんな所属選手のお父さん方です。

 

5人で話していましたが3人が中日ドラゴンズファン、2人が読売ジャイアンツファンという中で話題になったのが今オフの読売ジャイアンツの大型補強でした。

 

この辺りは過去記事でも触れてますのでよかったらご覧ください。

 

フリーエージェントを目指そう

 

大型補強もそうなんですが、フリーエージェントで広島東洋カープから丸佳浩を獲得した時にプロテクト外となった選手の中から人的補償で移籍してしまったのが、生え抜きとして長らく巨人投手陣を支えた内海哲也投手であったり、同じくフリーエージェントで西武ライオンズから炭谷銀仁朗選手を獲得した時に人的補償で移籍してしまったのが、これまた生え抜きのリーダー的存在であった長野久義選手であったりしたので、巨人ファンからは「何故だ。」との声が上がり、巨人ファン以外の方からは「やはり巨人は生え抜きを大事にしない。」という批判にさらされています。

 

「巨人ファンとしてあの補強はどうよ?」

とも言われましたが僕はあまり気にしていませんでした。

巨人の過去の補強状況等を見ているとその辺りは何となく想像がつきましたし、あとこれが大事な事なんですが、結局はそのチームが「何を求めているか」という事でその経過が変わってくると思うからです。

 

本人の現役続行希望を無理やり引退させ、いわば三顧の礼で迎え入れた高橋由伸監督を解任し(辞任とかいってますが実際は解任でしょう。)、今年は優勝が至上命題です。

 

となるとどうしても即戦力となる選手を引っ張ってきたい。

ただフリーエージェント選手を確保しようと思ったらプロテクト枠で守られた28人以外の選手は人的補償でとられてしまう。

取られるならやはり若い選手は伸びしろがあるのでプロテクトしたい。

となるとどうしても年配の選手をプロテクト枠から外さざるを得ない。

そういった葛藤の中で生え抜きの内海投手や長野選手が移籍せざるを得なかった、というのも理解はできます。

 

同じ様な話が海外でもあります。

僕は海外のサッカーを観戦するのが大好きでひいきのチームはスペインのリーガエスパニョーラに所属するFCバルセロナです。

1990年代のヨハンクライフ監督時代の「ドリームチーム」の頃からのファンです。

このチームも2010年代前半にジョセップ・グアルディオラ監督の時代、圧倒的な強さで黄金時代を築きました。

そのチームの強さの源泉となっていたのが下部組織から昇格してきたいわゆる生え抜きの選手たちです。

カルロス・プジョル、シャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタ、セルヒオ・ブスケッツ、ペドロ・ロドリゲス、ビクトール・バルデス、チアゴ・アルカンタラ…。

これらは全てFCバルセロナの下部組織の出身です。

さらには一度別のチームに出ながら戻ってきたジェラール・ピケ、ジョルディ・アルバ。

そして何よりラ・マシア(FCバルセロナの下部組織の総称)が生んだ最高傑作であるリオネル・メッシ。

主力選手の殆どが生え抜きながら全世界を席捲しました。

 

ただこのチームも主力選手が年齢を重ね、パフォーマンスが低下してくると引退や移籍等を余儀なくされ、チーム力が低下していくと、競争力を保つために外部からの移籍に頼らざるを得なくなってきます。

 

www.soccer-king.jp

 

この辺りは巨人にしてもバルセロナにしても非常にメジャーなチームですので賛否両論あると思います。

「生え抜きをもっと使え。」「毎年優勝しろ」

様々な意見、要望が渦巻く中で経営陣は色んな事を考えながらチーム運営をしていかなければなりません。

 

生え抜き重視で勝てなければどうなるのか。

現に広島東洋カープはここ3年でセントラルリーグを3連覇していますがその前は20年位優勝できませんでした。

ここをどう考えるか。

 

僕自身感じるのは「同質性のものばかりの組織はいずれ弱くなっていく。」という事です。

 

生え抜き一辺倒の組織は確かにその組織の哲学を徹底しやすいです。

チームならプロ入りと同時に入団させてその色に染め上げる。

会社も同じですね。新卒一括採用をして会社でしっかり教育をし、戦力としていく。

それを否定するつもりはありません。

 

但しチーム運営にしても会社経営にしても外部環境は常に変化します。

その時に同質性の人達だけの組織というのはその変化に対応できるのか、という疑問が残ります。

僕自身も今の会社に転職してきた時、今まで僕みたいな事務専任の人はおらず、いわば異質な存在でした。 

 

巨人も以前松井秀喜選手がメジャーリーグに移籍した後、一時的に暗黒時代と呼ばれる時期がありましたがそれをガラリと変えたのが日本ハムファイターズからFAで移籍してきた小笠原道大選手やヤクルトスワローズから移籍してきたアレックス・ラミレス選手といったいわゆる「移籍組」の人たちでした。

彼らが中心となりチームの雰囲気を一新し、原辰徳監督の下で黄金時代を築き上げました。

 

チームにしても会社組織にしてもゴーイングコンサーンを前提としています。

10年後も20年後も競争力を維持しながら継続していくのが理想です。

 

生き残っていくものは強いものではありません。変化に対応できるものが生き残れます。

 

組織に異質なものが入ってきたときにその異質なものを「異質」といって脇に置かずにその異質を受け入れる、そうして今までの同質のものと融合させながら外部環境の変化に対応した組織に変化させていく、そういった組織が最後残っていけるのだと思います。

 

大型補強した巨人が昨年出てきた岡本和真、吉川尚輝、田中俊太、重信慎之介といった若手を一人前の戦力として育て上げる事が出来るかどうか。

中盤にアルトゥール、フレンキー・デ・ヨンク等を加えたバルセロナがアレックス・コシャド、カルロス・アレニャ、オリオル・ブスケッツ、リキ・プッチといったカンテラ上がりの期待の若手をブレイクさせることが出来るのか。

 

ファン目線という観点での期待と組織運営という観点での興味と両方の視点から楽しみに見ていこうと思います。