自財人を目指す男のブログ

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イチローに思う事

伝説の野球選手、イチロー。

 

日本球界で彗星の如く頭角を現し、いきなり7年連続首位打者。

ポスティングシステムでメジャーリーグに挑戦。

・ルーキーイヤーにいきなり首位打者、盗塁王、新人王を総ナメしMVP を獲得。

・2004年にはそれまで84年年間破られなかったシーズン最多安打を更新するシーズン262安打達成。

・10年連続200安打。

・野球殿堂入りの切符ともいえるメジャー3000安打達成。

 

未だ現役にして既に「レジェンド」という言葉がこれ以上似合う方はいない、位の野球選手です。

外野手が内野に矢のような返球しランナーを刺すプレーを「レーザービーム」と呼ばれる様になったのもこの人のプレーがきっかけでした。

 

ただこれほどの偉大な選手が

「客寄せパンダ」

としての扱いを受けている、としたらどう思われますか?

 

僕が何故こう考える様になったか。

 

昨年5月にマリナーズがイチローに提示し、イチロー自身も受け入れた

「会長付特別補佐」

なるものの契約内容がそうとしか思えないからです。

 

状況を整理しましょう。

 

2018年のメジャーリーグ開幕前の事です。

 

その前年末(2017年末)までマイアミ・マーリンズの選手だったイチローは契約満了に伴いフリーエージェントになりました。

(メジャーリーグでは契約期間が満了すると自動的にフリーエージェントとなります。

わざわざ宣言をしなければフリーエージェントになれない日本のプロ野球との大きな違いです。)

 

2017年のオフはメジャーリーグでは歴史的なフリーエージェント市場の停滞があり、各チームの編成が大幅に遅れ、その為多くのフリーエージェントがチーム探しに苦労しました。

 

イチローも例外ではなく、年明けでもなかなか所属チームが決まらず、古巣のシアトルマリナーズ復帰が決まったのはなんと3月5日、異例の遅さでした。

 

開幕してからもなかなか調子が上がらない中(この時点で打率.205、ある程度の打力を求められる外野手としては致命的な数字です。)、5月3日にはいきなり

「会長付特別補佐に就任。」

「残り試合は出場しない。」

という訳の分からない発表がありました。

 

世間では様々な捉え方をされてましたが概ね好意的な意見が多い中、僕は

「マリナーズ、イチローを客寄せパンダにしたいんやな。」

「イチローは現役にこだわりたいというが、試合に出られない状態って果たして現役と言えるの?。」

と感じてしまいました。

 

まずマリナーズについて。

 

マリナーズは2019年の3月にオークランドアスレチックスと東京でメジャーリーグの開幕戦を行います。

対戦相手のアスレチックスはメジャーでもヤンキースやドジャース等の人気球団と違い、スター選手もいない不人気球団です。 

よっぽどのメジャー通でもない限り一般的な日本人の方はアスレチックスの選手は一人も知らないでしょう。

 

ここにレジェンドである日本人のイチローが加わったらどうなるか。

完全な目玉ができますね。

 

しかもメジャーリーグのロースター(ベンチ入り可能選手)は25名ですが、日本開幕戦についてのみはこの枠が28名まで拡大されます。

という事はイチローを日本開幕戦に帯同させる為に他のメンバーをベンチ入りから外す必要もない。

 

ただ2018年シーズンにマイナーに落としてしまうと他のチームがイチローとメジャー契約してしまうかもしれない。

そうすると2019年の日本開幕戦に連れて行けなくなり、興行の目玉を失います。

 

2018年シーズンは戦力にはカウントしない。

ただし2019年の開幕戦だけは日本開幕戦の為に居てもらわないと困る。

だから今マイナーに落としたりして他のチームと契約されたらマズい…。

そんな思惑の中生み出された発想が

「会長付特別補佐」

という肩書き、と僕は考えています。

 

もしマリナーズがイチローを本当に選手としての能力を認めているならイチローとそのまま普通に契約すればいい。

 

しかもメジャーリーグではプレーオフに備えて9月からはロースターを最大40人まで拡大できる「セプテンバー・コールアップ」という制度があります。

 

もしシーズン中にマイナーに落としたとしても、シーズンの終わりにプレーオフを目指して戦っている時にマリナーズが選手としてイチローを評価していれば、そこでロースター入りさせて戦力にすればいい。

現に2018年シーズンはマリナーズは途中までプレーオフ入りを争ってました。 

 

それすらないという事はイチローを客寄せパンダとして扱っているんだと考えざるを得ません。

 

ではイチローはどうでしょうか。

僕はイチローが本当に50歳まで現役にこだわるのであればマリナーズの申し出を断り、フリーエージェントになるべきだったと思います。

44歳の野球選手が一年近く実践経験を積めない。

それがどれだけ致命的な事か。

 

それならばマリナーズとの契約を解除し、マイナーリーグや独立リーグで自分をアピールし、メジャー契約を目指せばいい。

実際に野球殿堂入りした選手の中では引退間際までマイナーや独立リーグでメジャー昇格の機会をうかがっていた人も沢山います。

 

イチローもそうすればいい。

 

もしイチローにメジャーリーグで活躍出来る実力があれば、イチローが現役にこだわるならば、そうやって他の選手と公平に競争してメジャー入りの切符をつかみとればいい。

 

それすらせずに日本開幕戦のみロースター入りを保障され、その前後は全く分からない状態。

また日本開幕戦が終わったら「会長付特別補佐」なんていう肩書きの中、チームに帯同するが試合には出られない、なんていうオファーがあったとしたら、またそれを受けるのでしょうか。

それが果たして現役の野球選手なんでしょうか。

 

イチローは日本野球界が生んだ宝です。

今後100年語られるべき人間です。

 

だからこそ、イチローを競争させる機会すら与えず客寄せパンダとして使おうとするマリナーズの姿勢に疑問を感じます。

 

アスリートの評価はあくまでその選手の実力であるべきです。

(この辺りは女性選手への「美人アスリート」という表現も個人的には好きではありません。)

 

イチローも本当に50歳までの現役にこだわるなら特殊な契約に甘んじず、他の選手と同等の立場で争ってほしいなあ、と思います。

 

そうしてマリナーズがイチローに示した「会長付特別補佐」なんていう契約は間違いだったんだと思わせるだけの活躍をしてほしい、と思います。