明石市長の暴言が話題になっています。
どうも立ち退き交渉を担当する職員に暴言を働いたらしく、そのやりとりを暴言を受けた職員が録音していたらしく、その録音データが外部流出したという事みたいです。
僕自身色々思う事があったので神戸新聞の記事を抜粋しながら自分の思うところを書きます。
以下、細字が神戸新聞の抜粋、太字が僕が感じた感想です。
↓
職員「(立ち退き対象だった建物の)オーナーの所に行ってきた。概算で提示したが、金額が不満。」
市長「そんなもん6年前から分かっていること。時間は戻らんけど、この間何をしとったん。遊んでたん。意味分からんけど。」
6年間放置されていた、という事ですね。
これは市長の気持ちがよく分かります。
何をしてるんや、という事。
職員「金額の提示はしていない。」
市長「7年間、何しとってん。ふざけんな。何もしてへんやないか7年間。平成22(2010)年から何しとってん7年間。金の提示もせんと。楽な商売じゃお前ら。あほちゃうか。」
その通り、市長に拍手。
というか放置されていたのは7年間なんですね。
立ち退きの相手に金額を提示しないというのはどういう事なんでしょうか。
さっぱりわかりません。
ホンマに楽な商売です。
職員「すいません」
市長「すまんですむか。立ち退きさせてこい、お前らで。きょう火付けてこい。燃やしてしまえ。ふざけんな。今から建物壊してこい。損害賠償を個人で負え。安全対策でしょうが。はよせーよ。誰や、現場の責任者は。」
あちゃー。
これ言っちゃああかんでしょう。
市長せっかくここまでいい事言っていたのに…。
職員「担当はおります。課長が待機していますが。」
市長「上は意識もしてなかったやろ。分かって放置したわけやないでしょ。任せとっただけでしょ。何考えて仕事しとんねん。ごめんですむか、こんなもん。7年間放置して、たった1軒残ってもうて。どうする気やったん。」
市長「無理に決まっとんだろ、そんなもん。お前が金積め。お前ら1人ずつ1千万円出せ。すぐ出て行ってもらえ。あほちゃうか、そんなもん。ほんま許さんから。辞表出しても許さんぞ。なめやがって。早くやっとけばとっくに終わってた話を。どないすんねん。悠長な話して。たった1軒にあと2年も3年もかけんのか。何をさぼってんねん、7年も。自分の家売れ。その金払え。現場に任せきりか。担当は何人いるの。」
いやいや、「無理に決まっとんだろ、そんなもん。」まではその通りなんですよ。
ただそのあとが…。
職員「1人しかいません。」
市長「とりあえずそいつに辞めてもらえ。辞表とってこい。当たり前じゃ。7年分の給与払え。辞めたらええねん、そんな奴。辞めるだけですまんで、金出せ金も。」
市長、あかんですよ。
ただ個人的に気持ちはわかりますが…。
職員「担当は今は係長。この間係長は3回替わった。」
市長「何やっとったん、みんな。何で値段の提示もしてないねん。」
職員「値段は概算を年度末に提示している。」
市長「概算なんか意味ない。手続きにのらへんやないか。」
職員「市長申し訳ありませんが、(この分は)予算は今年度でつんでいる。前年度は予算ついていないんで、概算しか。」
市長「ついてないってどういうことよ。」
職員「他の地権者の分、とってますから。丸ごと全事業費は1年間でどーんと付けられない。」
市長「見通しわかっとったやろ。ややこしいの後回しにして、楽な商売しやがって。」
最後の市長の一言が全てですね。
僕もそう思います。
市長「ずっと座り込んで頭下げて1週間以内に取ってこい。おまえら全員で通って取ってこい、判子。おまえら自腹切って判子押してもらえ。とにかく判子ついてもらってこい。とにかく今月中に頭下げて説得して判付いてもうてください。あと1軒だけです。ここは人が死にました。角で女性が死んで、それがきっかけでこの事業は進んでいます。そんな中でぜひご協力いただきたい、と。ほんまに何のためにやっとる工事や、安全対策でしょ。あっこの角で人が巻き込まれて死んだわけでしょ。だから拡幅するんでしょ。(担当者)2人が行って難しければ、私が行きますけど。私が行って土下座でもしますわ。市民の安全のためやろ、腹立ってんのわ。何を仕事してんねん。しんどい仕事やから尊い、相手がややこしいから美しいんですよ。後回しにしてどないすんねん、一番しんどい仕事からせえよ。市民の安全のためやないか。言いたいのはそれや。そのためにしんどい仕事するんや、役所は。」
↑
抜粋は以上です。
座り込む、自腹を切る、というのは論外です。
市長の言い方もものすごく問題がある。
このご時世ハラスメントといわれてもしゃーないです。でも僕はこの市長の言わんとする事は非常によく分かります。
どうもこの立ち退きは国道2号線の明石駅近辺で死亡事故が相次いでおり、それを防ぐ為の工事という事です。
仕事は何の為にするのか。
それを考えると今回の市長の気持ちはよく分かります。
市長の仕事の一つは行政のトップとして市民の安全を守る為に全力を尽くす事。
その為の工事が7年間も遅々として進まない。
しかも担当者は地権者に対し立ち退き交渉にもかかわらず7年間もはっきりとした価格提示をしていない。
そりゃあじれったくもなるでしょう。
あと上記抜粋の最後にあった「しんどい仕事からする。」という表現。
これも全面的に賛成です。
しんどい仕事は後回しにすればする程どんどんしんどさが増していきます。
だからこそそこを早くすべき。
この市長、過去にも暴言騒ぎ等があるみたいですが、仕事の本質を捉える、という点では素晴らしい観点を持っている方だと思います。
だからこそ今回の件はあまりにも勿体ない。
市長の考え方、本質は素晴らしいものがあるのに周囲へのものの言い方で損をしてしまっている。
ハラスメント等が一般的に認知されている現代において、仕事で成果を出していく、目標を達成するだけではダメな時代です。
仕事で結果を出していく為にもその過程が大事なんだと思い知らされた一件でした。
明石市長の泉房穂様。
いつかあなたと一緒に仕事がしてみたいです。
その時は優しく指導して下さいね。