以前ある通販番組でカニを取り寄せた事があります。
うちの長男がカニが好きで、たまにカニ鍋をする時に「おいしい」を連発して食べているのでラジオを聴いていたらたまたま通販番組でカニの販売をしていてつい買ってしまいました。
その関係でそこの通販ショップからたまに
「こんな商品がありますがいかがでしょうか。」
という電話があります。
僕は通勤が車の為、車の中でよくラジオを聴いています。
そうすると色んな時間帯で通販番組が流れていまして、そこで様々な商品の番組を耳にします。
そこで実際に買うかどうかはともかく
「セールストークが上手やなあ…。」
といつも感心していました。
実はラジオで聴く通販と実際に電話がかかって来る通販には聴取者に対する売り方が大きく違うのってご存知でしょうか。
僕も実際に購入するまでは気付きませんでしたが…。
最初に商品の紹介をするのはラジオも電話も全く一緒です。
まず非常に良い商品である事の説明があり、そこから今回の購入が非常におトクである、という話に繋げます。
ここまでは全く同じなんですが、ここからの展開がラジオと電話で大きく異なります。
まずラジオで聴く通販ですが
「販売価格を伝え、そこから付属品をつけておトク感を出す。」
となります。
・商品の紹介をする…ここでおトク感を出し、今買うべきとアピールする。
・商品の値段をズバリ言う…さらにここから割引がある時がありますが、ここで値段が提示されます。
・ここから様々な付属品が付きます。
例えばテレビならテレビボード、食品系なら一袋や何キロ増量。
ここでのポイントは
「一度提示された値段は下がる事はあってもそこから上がらない。」
という事です。
「素晴らしい商品がこの値段で買うことが出来、値引きもある。さらにこれだけ色々なものが付く。」
という感じですね。
値段を提示して、さらにそこから値引いて追加で色んな付属品が付くことでお得感を出す、という事です。
ここから値段を上げてしまえばおそらくお得感が無くなります。
それに対して電話での通販は
「販売価格を伝え、そこから沢山買わせる事で単価を下げる事でトータルの金額を上げる。」
というやり方です。
・商品の紹介をする…おトク感を出し、買うべき感をアピールするのはラジオと同じです。
・商品の値段をズバリ言う…ここもラジオと同じです。
・沢山買う事を勧め、割引感を出す。
一番下がラジオとの大きな違いですね。
例えば以前カニを勧められた時は一箱いくら、という値段表示があり、そこからもう一箱購入で送料無料、という感じでした。
このやり方、テレビやエアコンといった耐久消費財にはなかなか使えなさそうですが、食品や消耗品にはかなり有効です。
要は
「多少単価が下がってもいいので沢山買わせる事で金額を上げる。」
という事です。
ラジオは不特定多数の人が聴くので安くして実際に購入してもらい、そこでまず購入実績を作る。
そうしておいて過去に実際に購入した人達に対しては沢山購入してもらう事で金額=売上を上げる。
こんな感じだと思います。
この
「沢山購入してもらう事で単価を下げる。」
という手法はどこの世界でも普通にありますね。
企業は一定の利益を確保しなければならないのでその利益を考えた値段決めをする。
でも購入額の大きな顧客については多少値段=利益を下げてもトータルの金額が大きくなれば利益は残る、という手法です。
まあ一般的ですね。
これ、逆に言えば
「高く売りたければ一単位あたりの売上を小さくすればいい。」
という事になります。
1個1000円で販売するものを2個売る事で1個900円にする。トータル1800円です。
これをやめて1個しか売らない様にする。
そうすれば1000円で売り続け、利益も高くなる。
このロジックがそのまま当てはまるのがトランクルームですね。
僕がやっているトランクルーム投資はスペースを借りてそこを細かく区切って貸しています。
借りて貸すだけだとプラマイゼロです。
そこで何故利益が出るのか。
「細かく区切る事でスペース辺りの単価が高くなる。」
となるからです。
つまり僕は
「大きく借りて小さく貸す。」
という事をしている訳です。
沢山売ろうとすると単価を下げないといけない。
単価を下げる=利益率が下がります。
であれば小さく、細かく売る(=貸す)事で利益率を上げる。
不動産賃貸の鉄則ですね。
実は以前税理士事務所に勤務していた時に不動産賃貸業を営んでいる会社の方に聞いた時にも同じ様な事を言われました。
・住宅はNG(スペースにおける水回りの比率がおおきくなってしまう。水回りはどうしても什器費用が大きくなってしまい結果的にコストが高くなり、賃貸料に反映せざるを得ない。)
・商業物件の狭いスペースを沢山貸す。
というのが高収益への近道との事です。
トランクルームも基本的な考え方は同じです。
・荷物を置くスペースなので水回り不要(什器費用が少なくて済む。)
・人が住まないので空調設備も不要。
・同じく人が住まないので修繕等の細かい事も言われない。
水回り、空調等余分なものが要らない=余分な経費がかからない、ただの荷物置きスペースを狭く貸す、そうする事で利益率を上げる。
これがトランクルーム投資のメリットです。
スペースは狭く貸すと単価が高くなり、高収益物件に繋がります。
大きく借りたものをより狭く、小さく貸す事で借りたものと貸したものの差額が利益になります。
ですからスペースは極力狭く貸す事を心がけましょう。
狭くなればなるほど高収益に繋がるはずです。