自財人を目指す男のブログ

人生を豊かにする「財」を「自在に稼ぐ」という意味の「自財人」を目指す男のブログです。某会社の執行役員として、トレーダーとして、トレード講師として、不動産投資家としての毎日を綴っていきます。

株は「投資」をするから大損する~中編~

前回記事 株は「投資」をするから大損する~前編~ の続きになります。

 

株というのは値上がりすることもあれば値下がりすることもあります。

これは株に限らずそうですが、

「すべてのものやサービスの価格に絶対的なものはない。」

という事です。

 

これは経済活動に関する初歩の知識だと思います。

 

株式とか不動産とかといった投資に関する事だけではなく、金融関係全て、というより実体経済に関するものが全てそうです。

 

スーパーマーケットで売っている肉や魚、野菜といったものもそうですね。

 

野菜なんかは天候不順で生産高が落ちると小売価格が上昇する、逆に豊作だと生鮮食品市場に野菜が大量に出回るので小売価格は下落します。

 

以前人気だったお店が閉店したり、商品の製造が終了になると最後にもう一度、という事でお客さんが殺到することがありますね。

最近なら名古屋栄の丸栄百貨店の閉店時がそうでしたし、鉄道の廃線時なんかも「最後にもう一度」という事で以前そこを愛用した人が沢山見えて名残惜しむシーンがよくニュースとかで放送されます。

あれなんかも「今回で最後」という事でそのサービスを受けられない人が殺到するという事です。

 

結局世の中の値段の付くすべての商品、サービスというものは「需給」のバランスで価格が決定する、ということになります。

 

需要…必要とする側

供給…必要とする側に商品やサービスを提供する側

 

このバランスで価格が決まります。

 

という事は以下の公式が成り立ちますね。

 

需要=供給=値段は変動なし

需要>供給=値上がり

需要<供給=値下がり

 

先程例に挙げた丸栄とか電車の廃線については普段は需要<供給だったのに、「もういけない」という付加価値がついたから需要と供給が逆転してしまい、一気に人が集まった訳です。

 

ある電車の廃線をテレビで一緒に観ていた友人が

「最後にこんなに集まって別れを惜しむならそれまでも利用すればいいのに。」

と話していましたがそれは残念ながら「最後だから」という価値がついただけに過ぎず、それまでは供給が需要を上回らず、需要<供給の状態であった、見方を変えるならば「最後でもう2度と乗れない」というもの以外の価値観を提供できなかった、という事になります。

 

これ、株価も全く同じことなんですね。

 

この会社は投資する価値がある、今投資した結果リターンが大きくなる、と思われる会社の株は買われますし、逆に投資した人々が投資しただけの価値がない、と判断してその会社の株式が売りに出されれば株価は下がっていきます。

 

という事はどういうことか。

 

株を投資目的で買う、という事はその会社の企業価値が投資した時点より上昇するのか、という観点から見定めないといけません。

そういう観点、視点、ノウハウが果たして一般の個人投資家といわれている人達にあるのか、という事です。

 

僕自身は以前税理士事務所に勤めており、一般の方より多少は企業の財務諸表が読めますが、それでもそこから「投資価値」を見出す事はとても出来ません。

 

財務諸表はあくまで企業の「決算日時点の現在価値」であり、それが「未来の投資価値=現在投資したものが投資した価値以上のリターンをもたらすかどうかが分かるもの。」ではないからです。

 

現在の企業の経済活動をめぐる環境の変化のスピードはすさまじい速さで動いています。

次々に新しいテクノロジーが発達し、それに対応し、さらに新たな価値を生み出していく。

一方で様々なリスクに直面し、それらを膨大な費用や時間を使って回避していく。

転職の求人情報ですら開示するとそこから将来の事業展開が透けて見えてしまう、という事で一般の登録情報よりも転職エージェント会社に登録している人しか見る事の出来ない非公開の求人情報が多くなっているご時世です。

 

そんな時代に企業の投資価値を見極めるにはそれなりのスキルやそれなりの内部情報が必要となってきます。

 

そういったスキル、内部情報が皆さんにおありでしょうか。

 

今僕を含めた一般の人達が見る事の出来る企業の情報というのはあくまで表面的な事項だと思います。

 

メディア発表なんていうのはメディアを通じて一般大衆が知る頃には内部情報を知る人はすでにその情報を基に動いています。

 

またメディアといえども公正中立ではありません。

メディアに対し広告料を支払うスポンサーがいます。

スポンサーはメディアにとってはお客様です。

当然に報道内容にも忖度が入ります。

 

つまり「すべてのメディアの報道は何らかの色がついている。」と考えた方がいい訳です。

 

どのメディアの報道が公正でどのメディアの報道が色がついているかなんて一般大衆には分かる訳もありません。

 

であれば我々が上記で記載した

「株を投資目的で買う、という事はその会社の企業価値が投資した時点より上昇するのか、という観点から見定めないといけません。」

というこれをどこから見定めるのか、という問題が出てきます。

 

ですから

「そういう観点、視点、ノウハウが果たして一般の個人投資家といわれている人達にあるのか、という事です。」

という事に関してはこういったノウハウは残念ながらないよね、という事になってしまいます。

 

長くなってしまいました。

 

明日に続きます。

 

株は「投資」をするから大損する~後編~に続く。