自財人を目指す男のブログ

人生を豊かにする「財」を「自在に稼ぐ」という意味の「自財人」を目指す男のブログです。某会社の執行役員として、トレーダーとして、トレード講師として、不動産投資家としての毎日を綴っていきます。

「副業」じゃない! 「複業」だ!

最近様々なメディアでサラリーマンの副業解禁というのが盛んに報道されています。

 

今年(2018年)の年頭辺りからから報道が出てきた、というイメージですが、背景としては厚生労働省の「柔軟な働き方に関する検討会」のレポートの影響が大きいようです。

 

これを読むとテレワークと副業について民間企業にその促進をするための内容と思われます。

 

なぜこういう流れになっているかというと、これは僕の推測ですが

・少子化が進み、労働人口が今後減っていく…子育て中でフルタイムはもちろんパートタイムでも働けない(つまりなかなか自宅を空けられない)人達にも就労機会が与えられることを目的としている。

 

・高齢化が進み高齢の親、例えば70歳から80歳くらいの年齢の親の介護の為に40歳前後の働き盛りの年齢の方が仕事をやめなければならない現状がある。柔軟な働き方を世の中に広めていく事でそういう方にも雇用の継続が出来る様にしていく。

 

・高齢化に伴い年金支給期間もどんどん長くなり、労働人口の変化により年金支給額もどんどん下がっている、副業を認める事で定年後の第二の人生の経済面でのスタートを切りやすくする。

 

これくらいでしょうか…。

 

ただ僕自身「副業」という言葉に非常に違和感を覚えます。

 

「業」が「副」というのはどういう事なのか。

 

柔軟な働き方自体は僕も賛成です。

僕自身も会社員と会社経営を兼務していますし、自分の会社を経営することでそこで得た考え方やノウハウは確実に会社員としての自分のレベルアップにもつながっています。

例えば今勤務している会社に入社し、まず最初にやりだした財務健全化に向けた話し合いをした時には、自分が経営している会社で知り合った元金融機関勤務の方にお越しいただき、うちの社長と3人で色々打ち合わせしましたし、中小企業庁の経営革新計画を取得した時もその情報やメリットを教えていただいたのは自分が経営している会社の知り合いでした。

もちろん会社員として培ったノウハウが会社経営でも生きているという面もありますが。

 

ただ実際に自分自身で会社員と会社経営の両立をしていて感じるのが

「『本業・副業』という考え方はいけない。」

という事です。

表現として副業という言葉を使ったとしても「副」という考え方をやりだすと最終的に上手く行かなくなる、と思います。

 

仕事というのは「モノやサービス、時間を提供してお金をもらう」という事だと思います。

自営業なら何か販売したり何かのサービスを顧客に提供し、その対価としてお金をもらう。

サラリーマンなら自分の時間を提供し、その対価として企業から給料という形でお金をもらう。

 

何かを提供してお金をもらう立場の方が副という考え方でいたとしたら提供される側=お金を払う方がどう感じるのか。

副業という言葉にはこの考え方が決定的に欠けている様な気がします。

 

現在日本の法律では雇用する側もされる側も「労働時間」で労働契約をしなければなりません。

だからこそ「サービス残業はダメ」という事ですね。

 

であればまずは会社員として働く時間、というのは会社に対して忠誠を尽くせばいい訳です。

忠誠というと滅私奉公の様に聞こえますがそうではなく、プロフェッショナルとして、契約先に対して契約元の会社が求めることを労働時間の中で100%応える様にすればいい。

 

それで他に何か別の仕事を行うのならその職場で自分が契約をする先に対してその契約先が求める事を100%応える様にすればいい。

 

求められるところで契約に沿って100%の力を発揮する様に努力する、という観点において本業も副業もない訳です。

そこに本、副とランク付けをするからおかしくなる。

勿論事前にスケジューリングをする時に収入の多寡に応じて正社員としての部分(いわゆる一般的に「本業」と言われている部分)を優先するのは当然と言えます。

(上記で書いた様に現行の労働基準法では会社は社員の労働時間に対して賃金を払わなければならないので。)

そこを軸に空いた時間に別の事をする(いわゆる一般的に「副業」と言われている部分)のもスケジューリングの観点からすると当然にそうなります。

 

仕事というのが「締結した契約に対して契約先に対して100%の力を発揮し契約先の要望に応えるべく努力する。」という観点から見るのであればそこに「本業」・「副業」という考え方を持ち込むべきではない、と思います。

 

どちらでもベストを尽くす。

仕事、イコール業を複数行っている、という意味では「副業」ではなく「複業」でなければいけない、というのが僕の考え方です。

 

本・副の考え方でなく複業の考え方を持ち、それぞれに対しどちらも本業であるという考え方で仕事に望んでこそ、副の部分も継続したビジネスとして成長でき、本の部分にも良い影響を与え、お互いのシナジー効果が出てくる、と思いますし僕自身その考え方で仕事をしているからこそ上手く両立が出来ている、と思います。

 

副業はやめましょう。

複業をしましょう。