自財人を目指す男のブログ

人生を豊かにする「財」を「自在に稼ぐ」という意味の「自財人」を目指す男のブログです。某会社の執行役員として、トレーダーとして、トレード講師として、不動産投資家としての毎日を綴っていきます。

営業力=提案力である、と実感させられた事(中編)

昨日アップしました記事

「営業力=提案力である、と実感されられたこと(前編)」

の続き記事です。

 

3年前にすったもんだした挙句取引をしなかった某金融機関の営業担当者がうちの会社の事務所にフラッとやってきました。

以前の人とは別の方です。

僕自身がちょうど他の電話で話している時にやってきたので、電話越しに「初めてみる人やなあ…。 誰やろうなあ…?」と思いながらその方を見ていたんですが、電話が終わったら対応していた部下が

「〇〇〇〇(=某金融機関)の方です。」

と取り次いできたので、以前の事を思い出しながらとりあえず応接室に招き入れました。

 

最初に名刺交換して応接ソファーに座っていただき、僕が

「以前の事何か前任者から伺ってますか?」

と質問すると

「何のことでしょうか?」

という回答があり、そこから前回のブログで書いたことを延々と話しました。

以前もらった名刺も残っていたので名刺も見せるとなんと以前みえた前任者の同期の方、という事でした。

 

前任者とはいえ同じ会社の人がやった事。

ひたすらすみませんと平謝りされてましたが、こちらも別に怒りを引っ張っていた訳でもなく、その担当者の方も

「何かまたご提案をさせていただきたい。」

と言われました。

僕自身も前回の記事で書いた様に

「営業訪問については来るもの拒まず。基本的に話はすべて聞く。提案は全て吟味する。」

という考え方があり、何かあれば話を聞かせてください、と話してその日は帰っていかれました。

 

すると次の日になってその方からすぐに電話があり、上司を連れて伺いたい、という事で電話があったその日の夕方に上司を連れておみえになりました。

 

上司と担当者、僕の3人で特に上司の方と僕が1時間ほど話していましたが感じた事が

「とにかく鋭い」

という事。

 

事前に社長には

・以前の金融機関さんがお見えになる事

・もし財務諸表関係の開示を求められたら開示してもいいか、という事

以上について連絡と了承を取り付けておいたので、その辺りをお見せした上で色々話をしたのですが、「ここは聞かれるだろうなあ」と思うところはことごとく質問、指摘をされました。

 

僕自身が決算時に税理士さんと打ち合わせしながら財務諸表や税務申告書を作成していく訳ですが、何となく

「もし税務調査が来たら税務職員にこういうところを指摘されるんだろうな。」

「金融機関に提出したらここを聞かれるんだろうな。」

という事は大体予想がつくので、その辺りは決算を組む時にそれらの数字を算出した根拠や資料を準備しておきます。

いざ指摘されてから準備すると大変ですし、記憶もどんどん薄れていくので。

(この辺りは税理士事務所職員あるあるだと思います。)

今回おみえになった金融機関の上司の方は直近の財務諸表をざっと見ただけで、僕が予想していた箇所は全て指摘、確認していき、しかもほとんどの箇所を僕が説明しかけ、もしくは全て説明し終える前に大体の内容をご理解されていました。

 

あと話している中でその中で印象に残っている発言が

「もし保証協会付融資が出来ればうちとしてはありがたいんですが、普通に融資をさせてもらったとしても御社にメリットはないですよね。

そんな事をしてもWIN-WINにはならないですよね。」

と言われた事です。

 

営業で外回りをしている銀行員にとっての最大の評価は取引企業への融資の残高。

融資をして翌月から数年かけて(運転資金の融資は5年から7年が多いですかね)返済をしてもらう、というのが一般的な形態だと思います。

いわゆる「証書貸付」というものですね。

さらにこれに信用保証協会という公的機関の保証をつけられれば、もしうちの会社の業績が悪化して返済が困難になったとしても、保証協会が融資額の80%を保証してもらえます。

保証料はうちの会社負担になりますが。

 

この形態ですと金融機関としては

・金融機関や営業員の成績となる融資残高

・得意先の業績悪化、倒産時の融資金の貸し倒れ(取りっぱぐれ)に備えた債権保全

の両立が図れ、金融機関にとっては一番実施したいプランだと思います。

 

今回流石だと思った事は、まずうちの会社の財務諸表をその場で分析し、その上で

「自分達が一番やりたい事を得意先であるうちの会社が必要でないと判断した上でその提案を放棄した。」

という事。

 

確かに2ヶ月程前に別の金融機関で運転資金の調達が完了したばかりで、当座必要な資金需要もない。

その辺りの事をこの上司は初めて来た得意先で、1時間弱の時間で面談と財務諸表の読み込みでそこまで判断し、先方が一番やりたいであろう提案を自ら消したのです。

 

僕よりわずか2つ年上だけの方ですが、同じ財務諸表に関する仕事をするプロフェッショナルとして僕に果たしてその様な仕事が出来るか、たった1時間弱の間にそこまで見通せる様なそういった洞察力があるか、という自問自答をした時にちょっと考えてしまいました。

 

すみません、次回に続きます。

 

 営業力=提案力である、と実感させられた事(後編)に続く。