自財人を目指す男のブログ

人生を豊かにする「財」を「自在に稼ぐ」という意味の「自財人」を目指す男のブログです。某会社の執行役員として、トレーダーとして、トレード講師として、不動産投資家としての毎日を綴っていきます。

営業力=提案力である、と実感させられた事(前編)

先日僕が勤めている会社の方で新しい金融機関と新規の融資契約を締結しました。

 

この金融機関との今回の契約を通じて

「商品やサービスを販売する。」

という事はどういうことなのか、どうすればいいのか、という事を痛感させられましたのでその辺りの事を書きたいと思います。

 

長文につき3回に分けたいと思います。

 

まず前編です。

 

僕が勤務している会社の金融機関との取引は主力行=メインバンクと準主力行=サブの銀行との二行相手のみであり、今回の金融機関は普通預金の口座こそあったものの残高が0円です。

以前はちょっとした振込等にも使っていたのですが、ここ2年くらいは取引自体が無くずっとほったらかしの状態でした。

 

実はこの金融機関、3年ほど前にも担当者が突然やってきました。

今回とは別の担当者だったのですが、まだ大学を出て直後の新人の担当者で

「とりあえず預金口座のある得意先を全て回らせてもらっている。」

という事で挨拶にみえました。

 

僕自身が

「営業訪問については来るもの拒まず。基本的に話はすべて聞く。提案は全て吟味する。」

というスタンスでしたので応接室に座っていただき、色々話をしました。

その中で

・債務超過の改善とファイナンスの組み換えが(この金融機関の営業担当が訪問した時期時点での)財務的な観点からの弊社の最大の課題である。

・もしその観点から何かご協力していただけるご提案があるならば伺いたい。

という話をしました。

 

そうするとその担当者が「直近の財務諸表3期分を預かりたい。」というのでコピーしたものを渡しました。

 

数日後担当者から連絡があり

「手形割引取引から始めさせてほしい。」

という話がありました。

(注…手形割引取引というのは得意先より売掛代金回収した時に現預金でなく手形でもらったものを割り引いてもらう融資取引の事。

現預金なら入金があった時にその場で使えるが手形は何か月後かに現金に引き換えられる、という類のものですぐには使えない為、金融機関に引き取ってもらいすぐに現金化してもらう。手形に記載のある現金化出来る日にちと引き取ってもらう日にちの間金融機関から融資を受ける、という形になり、その日数分の利息を金融機関に支払う、という形になる。)

 

手形をとりに伺いたい、という連絡があった為、こちらが得意先より回収した手形を用意して待っていると担当者がやってきた為、こちらが

「割引の利率は何パーセントですか?」

という話をしたところ、

(上記で書いた様に手形割引取引は融資を受けるので金利=利息がかかる。)

なんとびっくり

「いや、まだ決まってないんです。」

という返事が帰ってきました。

 

僕が

「新規で取引をするのにものの値段(今回の場合は融資の利率)が決まっていない、なんてことがあるのか。

じゃあこの手形をもし預けてこちらが想定しているよりも高い金利だった場合はどうするのか。」

という質問をすると、さらに驚きの回答が…。

 

「僕は取引を始めたいけど、上司がなかなかやろうと言ってくれないんです…。」

 

僕は思わす

「僕とあなたが個人間で取引をする訳じゃない。お互いに会社間で取引をする訳で僕とあなたはお互いその窓口にすぎない。あなたが『手形割引から取引を始めたい』というアクションを起こしてきたのでこちらは当然にあなた個人でなく、あなたの会社の総意としてうちの会社と取引をしたい、という申し出と判断している。

それをいざこちらに来た時に取引の条件も分からない、支店長がやろうと言ってくれない、なんていう状態で取引なんて出来ると思うか?

帰って会社できちんと条件を詰めてもう一度出直してこい。」

と言いました。

 

最初の営業訪問、必要な開示書類、取引形態、全て先方からの要請通り進めてきて、最後の最後に「条件が決まっていない」とか「上司のOKが出ない。」とか、あまりにもふざけた言動だった為、追い返しました。

 

翌日になって電話で

「すみません、上司のOKが出なかったので取引できません。」

という電話がありました。

 

・営業担当者が得意先にアクションしながら全く社内での根回し等を進めていなかった事。

・新人の担当者が現場でやらかした事について上司が現場=得意先に全く出てこずにフォローしなかった事。

 

について僕はこの会社、この担当者、会ったことのないこの担当者の上司に憤慨しながら、自分の反面目標にしよう、と割り切り、この会社についての事をいつの間にか忘れていきました。

 

そうしたらこの出来事から3年後に再びこの会社の営業担当が僕の勤めている会社にやってきました。

勿論担当者は全く違う人でしたが…。

 

僕自身は内心で

「何しにきやがった…。」

と毒づきながらも、来客に関する基本的なスタンスが上記で書いた様に

「営業訪問については来るもの拒まず。基本的に話はすべて聞く。提案は全て吟味する。」

というスタンスでしたのでこの担当者を応接室に通し、話を聞くことにしました。

 

以下、「営業力=提案力である、と実感させられた事(中篇)」に続きます。