自財人を目指す男のブログ

人生を豊かにする「財」を「自在に稼ぐ」という意味の「自財人」を目指す男のブログです。某会社の執行役員として、トレーダーとして、トレード講師として、不動産投資家としての毎日を綴っていきます。

融資で決着

以前書いた記事

www.jizaijin.biz

の続きです。

 

設備投資をするのに従来通り融資を受けて購入するのか。

それとも借入枠を温存する為にリースにするのか。

 

結論は融資を受ける事になりました。

というか融資を選択せざるを得ませんでした。

 

ここまで至る間にまあ色々ありました。

 

①他の買取業者の介入

 

実はこの設備投資自体が一旦破談になりかけました。

 

今回の話が持ち上がり、その後うちの社長が仲介役の会社の社長と実務担当者との3名で現場まで視察に行きました。

そこで実際の設備を確認し、その場で売り先の会社と交渉した結果数台ある内の1台を購入するという事で話がまとまりました。

 

その時点では口頭合意で仮契約も締結していなかったのですが、その後で

「全て一括で購入したい。」

という業者が現れ、売り先の会社が

「一旦白紙に戻したい。」

と申し出てきました。

 

仲介業者の方が交渉していただき、何とか押し切る事が出来ました。

 

②中古資産であるが故の難しさ

 

時間が無い中でA金融機関とB金融機関と両方ともグループ会社にリース会社もありますので両方に打診をしました。

 

A金融機関の子会社は

「そもそもリースは中古では出来ない。」

という事でした。

割賦販売は出来るという事でしたがそれでしたら融資を受けるのと変わらないのでお断りしました。

 

B金融機関の子会社についてはそもそもB金融機関がリースを進めてきた、という事もあり、色々と動いてもらいましたが時間が足りなくて断念という事になりました。

 

B金融機関との話の中で

「中古資産のリース契約は難しい」

という事を思い知らされました。

 

どうしてかというとこれはリース取引というものの形態に関係してきます。

 

そもそもリース契約というのは会社が使用する資産をリース会社から借りる形態です。

もし融資を受ける、という事になると会社が資金調達を受けてからその設備を購入すればいいので話はそんなに難しくありません。

ところがリースというのは会社が必要な設備を自社で買い取らず、リース会社が一旦買い取ります。

会社はリース会社に使用料を支払ってリース契約の期間中その資産を使用します。

ですので権利関係としては

「所有…リース会社、占有…実際に使用する会社」

となる訳です。

そうしてリース契約の期間が終了するとリース会社に資産を返却します。

リース会社は返却された資産を中古市場で売却します。

ただ契約によってはリース期間が満了しても再びリース契約を締結出来ますし、場合によってはうちの会社がそのまま買い取る事も可能です。

 

つまりリース会社は

・資産の購入費用(A)

・資産を保有する事による付随費用(B)

・リース期間終了後の売却見積額(C)

の費用を算出する必要があります。

 

何故ならばリース会社が負担するコスト=原価は(A+B−C)であり、この数字を算出した上でその資産を使用する会社にリース料を請求します。

これがリース会社の売上になります。

逆にこの数字がはじき出せないとなると原価が分からないので売上となるリース料を算出する事が出来ません。 

 

今回何故難しかったかというと、

「中古資産、しかもちょっと特殊な資産、という事もあり、BとCの金額の算定が出来なかった。」

という事みたいです。

「算定する時間が無かった。」

と言ってもいいかもしれません。

 

中古資産という事で

・購入については待った無し…社長も現場に足を運び程度良好である旨を確認した上で購入について早急に詰めました。

・資金調達についてはまず融資を検討し、融資のOKが出た後にリースの検討を始めました。

ところが特殊な資産という事でリース会社が上記BとCの見積もりに手間取っている間にその設備の入金期限が迫ってきました。

 

仲介の会社が当社とは親密取引先ですので先方はある程度待っていただけるとおっしゃっていただいたのですが金額が金額なだけに甘え続ける訳にもいかず…。

 

こんな調子でタイムアップとなってしまいました。

自己資金で一時立替も考えましたが、ズルズル行く途中でどこかで躓いた時に話がポシャるのが怖かったという事もありました。

 

リースの良さはなんといっても

「融資枠を温存できる。」

という点です。

 

金融機関は会社の財務状況や経営状態によって融資の限度というのがある程度決まっています。

企業経営というのは良い時もあれば悪い時もあるので財務担当としては悪い時に資金調達を行う為に融資枠というのはある程度温存しておきたいと考えます。

 

あと

「直近のキャッシュアウトもリースより安くなるケースが多い。」

というのも魅力です。

 

リース契約にはリース期間終了後の売却見積額というのがある為(これを「残価設定」といいます。)、使用期間中のリース料は融資を受けて返済していくよりも少なくなるケースが多いです。

 

企業の資金繰りの鉄則である

「入り(入金)は大きく、早く。出(支払)は小さく、遅く。」

という観点からするとまさに

「小さく、遅く」

出来るのが良い点です。

(但し支払総額が融資とリースでどちらがお得かは分かりません。契約内容によります。)

 

今回は融資で決着せざるを得ませんでしたが、リース契約をしてみたかった、というのが本音でありそれが残念でした。

 

但し設備投資が出来たのは収穫ですのでこれから現場サイドに頑張って稼いでもらいます。