自財人を目指す男のブログ

人生を豊かにする「財」を「自在に稼ぐ」という意味の「自財人」を目指す男のブログです。某会社の執行役員として、トレーダーとして、トレード講師として、不動産投資家としての毎日を綴っていきます。

転職市場、という誤った考え方①

僕は勤めている会社での業務の一つに

「採用」

というものがあります。

何をするかというとまあ文字通りで人を採用する、という事なんですか。

 

最近はよく「売り手市場」、「人手不足」などといわれ、企業側と労働者側で労働者側がかなり有利な状況と言われています。

 

「中小企業にはなかなか人材が回ってこない。」

「転職するなら今がチャンス。」

という様な評判がたってます。

 

確かに私共は中小企業で、なかなか人材が回ってこないのは事実です。

求人関係の様々なメディア(当然有料のものも含みます。)で露出させたりしていますが応募自体がなかなかありません。

まあその事自体はしょうがないのですが、逆に人が辞めていく、という事もありません。(これは非常に大きな事です。)

 

「もう1人か2人いれば仕事が楽に回るのになあ。」

とは思いますが、その事で既存の従業員に対して過大すぎる負担がかかったりすることもありません。

 

ではなぜ人が辞めていかないのか、それはおそらくこの数年で「人手不足」という最近流行りの言葉が出てくる前に労働環境を再整備したからです。

給与、休日、退職金制度…。

うちの会社の規模からして身の丈に少し合わないかなあ、という様な制度を思い切って導入してきたおかげという事が人が辞めていかない理由の一つにあると思います。

 

元々僕がこの会社にお世話になる時に社長が

「今いる従業員には長く働いてもらいたい。定年まで働いてもらって定年になって退職する時に『この会社で頑張ってきてよかった。』と言ってもらえる様な会社にしたい。」

と話しており、それならそういう制度設計をしよう、という事で様々なデータを取りながら給与や休日、退職金制度等を取り入れてきました。

 

従業員の方も会社のその様なスタンスを感じ取っているからこそ、退職する事なく働いてくれているのだと思います。

従業員にとっても職場を変えるのはリスクがあります。

労働条件や仕事内容については面接で教えてもらえます。

ところが仕事内容でも細かく具体的な内容や職場の雰囲気なんかは実際に働いてみないと分かりません。

その辺りを勘案して皆さん残って働いていただいているのだと思います。

 

ただ新規の求人も募集したい訳でハローワークの様な公的機関や民間の転職エージェント会社、広告会社とかとも打ち合わせを行ったりする機会も多い訳ですが、そんな僕が今少し気になっているのが

「転職市場」、「労働市場」

という表現です。

 

今(2019年2月)は2012年12月から景気拡大が続いており(ホンマか、全然実感がないやん…。)、もう7年目になります。

当然景気が良くなれば企業は雇用を増やします。

まして今回の景気が拡大し出した頃はその5年程前に各企業がリーマンショックの頃にかなりリストラを敢行した後であり、この景気回復により雇用を戻したい、増やしたい企業が人材確保に動くのもよく分かります。

 

だからといって「売り手市場」、「労働市場」という表現の様に労働者は市場という表現で扱われるものなのでしょうか。

 

これは別に「人を市場で扱われるモノ=商品」みたいに考えるのはダメだ、なんていう観点ではないんです。

 

そうではなくて

「従業員を雇用する」「会社に雇用される」という事は売買市場のメカニズムの様に考えるのは少し無理がある、という事なんですね。 

 

確かに需要と供給のバランスが供給=労働者側に振れていることだけを見れば売り手が有利なんでしょう。

 

「転職ブーム」と言われ、ネットを見ても転職に関するニュースや転職サイトも溢れかえっています。

 

ただだからといって安易に

「今は労働者有利の状況だから転職すれば給料は上がるんじゃないか。」

とか考えるのはどうなんでしょうか。

 

「年収◯百万円以上の求人」

とかいうサイトもたくさん目にする今の状況がそういうムードを助長しているのも一因としてあると思います。

 

ただ転職を考えてみえる方、もしもこのブームに乗ろうとしてみえるのであれば一度考え直した方がいいのではないでしょうか。

 

「ブーム」

というのは必ず仕掛け人がいます。

 

転職する人が多くなればなるほど得をする人は誰でしょうか。

 

転職エージェント会社です。

 

彼らは労働者が転職をして初めて利益が出ます。

ネットで広告を出し、最初は無料でもHPのトップページへのコンスタントな表示には有料になる。

実際に転職が成功すれば転職した労働者の月の給与の◯ヶ月分が転職受け入れ企業から転職エージェント会社に支払われます。

 

という事は転職ブームというのは彼らにとって企業業績への追い風になります。

人材の流動化こそ彼らの望む状況です。

 

ちなみにテレビで芸能人をバンバン起用してCMをしている大手エージェント会社は年間4回賞与が出るらしいです。

(知人の息子さんが働いているらしくそこから伺いました。)

 

ただ転職エージェント会社は転職する時はしっかりサポートしていただけますが、転職後のフォローまではしてもらえません。

(そこには全く収益が発生しないからです。)

 

「ブーム」

を産み出すものの正体をしっかり見極めれば、どうしてこういう流れになっているかを見極める事が出来ます。

 

・バレンタイン

・クリスマス

・ハロウィン

・恵方巻

 

企業が仕掛け人となり一般の人を対象とした消費システムを文化として根付かせたものは上記に限らず沢山ありますが、この転職ブームというものもそのうちの一つかもしれません。

 

まずここをしっかり見極める事が大事です。

 

ちょっと長くなりそうなので続きは明日書きます。

 

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へ続く