先日NHKの「ドキュメント72時間」という番組でSMバーのマスターのインタビューがやっていました。
この番組は色んなところに番組スタッフが72時間張り付き、そこにやってくる人達に色んなインタビューをしてさまざまな人間模様を映し出す番組です。
30分という時間がちょうどよく、たまに観ています。
今回はレンタルミュージックスタジオが舞台でそこにバンド仲間と音楽をやりにくる人達にインタビューをしていました。
そこで冒頭のSMバーのマスターのインタビューが凄く印象に残りました。
このマスターは思春期(だったと思います、時期はあんまりはっきり覚えていません。)にSMの魅力に目覚めてしまい、めちゃくちゃ悩んだそうです。
今みたいにインターネットやスマートフォンで様々な情報が自宅に居ながらにしてサクサク取れるという訳ではない時代です。
ジャンルがジャンルだけに情報を集めるのも一苦労だったと思います。
ネットを通じて気軽に他人と繋がれる環境もなく、その中で社会の市民権を得ていると言い難い趣味に目覚めてしまう。
もし僕が自分自身でそうなってしまったらと思うとゾッとします。
現にその方も死んでしまいたいくらいに悩んだとの事です。
そこで救われたのが本当に親しい方に
「自分がそれが本当に好きな事であればそれは素直に好きと認めればいい。
自分は自分なんだ。」
と言われた事だったそうです。
そこで一念発起してSMバーを開業させたり、実際に縄師(縛る人?)をやったりしてるそうで、ミュージックスタジオでもバンドのボーカルでSMをテーマにしたオリジナルの歌ばかり歌っている、との事です。
テレビで取り上げていた時間にして2、3分の出来事でしたが、正直凄いなあと思いました。
日本という国は社会の中にさまざまな同調圧力があります。
「空気を読め。」
という表現の元、意見が言いたくても言えない、流される、黙殺される、忖度する、というのはまさに同調圧力だと思います。
ハラスメント、サービス残業、忖度…。
日本の国特有の問題とは言いませんが、日本人の国民性が大いに影響している問題です。
その中で決して世間受けするとは言い難い趣味を持つ事を自分の中で受け入れて、自分を信じて突き進み、最終的に生活の糧である業にまで昇華させる、並大抵のパワーではできない事です。
人と違う事をする事に対して勇気が必要になるのが現代社会の風潮です。
「出る杭は打たれる」
ただ平成不況が続き、失われた20年と言われた中で社会全体に余裕がなくなり、昭和の頃に分厚かったいわゆる「中間層」と言われた層がどんどん崩れていく中で、気がつけば鋭く尖った人が生き残る時代になってきました。
人々の価値観が多様化し、爆発的なヒット商品や国民誰もが知っているというレベルのカリスマを持つスーパースターが生まれにくくなっている中、人と違う観点を持つ人、真の意味で個性的な人が強さを発揮する時代です。
逆に他とのサービスの違いを出せない分野の事業に属している会社はどんどん埋没していきます。
銀行なんてまさにそうですね。
人と違う事、自分しか出来ない事、それを突き詰めていくとそれが自分の個性になり尖っていきます。
友達と居酒屋に行った時に
「とりあえずビール」
はやめましょう。
喫茶店に行った時には相手に合わせて好きでもないコーヒー頼まずに自分の好きなもの、飲めるものを頼みましょう。
今の自分に満足できていない人、何か一つ始めてみましょう。
今の「殻」を一つ破ってみましょう。
人と違う事をする事、今の自分と少し違う事をする事こそ、将来今と違う自分、自分がなりたい自分になる為の第一歩です。
是非一歩踏み出してみましょう。
人と違う事こそ個性であり、個性こそ今の先行き不透明なこの時代を生き抜く為の武器になるはずです。